爬虫類脳

「爬虫類脳」という言葉を聞いたことがある方はいらっしゃいますか?

我々の脳の機能を言う時、生きる本能、生きるための活動を促す脳機能を爬虫類脳と言うそうです。

人間は哺乳類ですから脳は哺乳類脳であるわけですが、人間の脳は何層にもなっていて、一番外側の部分が人間的な物の考え方ができる部分だと言われています。

おもいやり、とか自分を犠牲にしてまでも人を助けるというようなことができるのも脳の一番外側が機能しているからこそなのです。

しかし、一番外側だけでは生きていくことができないのです。つまり、人間が言うところの下等動物(君たちにそんなことを言われたくないわと動物たちは言っているかもしれません)が行っている、生きるための行動。

例えば、呼吸(肺呼吸だけではなく)とか食べ物を食べて消化して栄養を取り入れることとか、その食べ物を捕まえてきて食べる行為とか、いろいろ、生きるために必要なことは山ほどあるわけですね。

脳の内側に行けば行くほど、生きるために必要な機能を持つ部位となるわけです。つまり爬虫類はその、人間が持つ中心に近い部分の脳しかないわけです。

そこでつまり、深く思考するような力ではなく、生きるための脳ですから、爬虫類脳というような言い方をするわけです。

よく「本能的に……」などという言い方をすることもありますが、これもまた、爬虫類的にというふうに捉えてもいいかもしれません。

そこで脳の外側にある人間脳ですが、理性的な行動はこの人間脳を使っての活動ということになります。

さて、それでは人間である我々の行動はこの人間脳を使って、常に理想的な行動を取っているのでしょうか?

自分で物を考え、人と協力をし、正しいと思われれる行動を取っているのでしょうか?

例えば、健康によい食物を選び、悪いものを選ばないということができているでしょうか。実際問題としてその逆が多くなっていることもあります。

なぜ人間脳と呼ばれる高度な処理が行える脳を持ちながら、でたらめなことをやってしまうのでしょうか?

それは、実は爬虫類脳を刺激されているからです。

栄養よりも、おいしそうなものを選ぶとか、性的な興味を刺激されるとか、より原始的な、本能をくすぐられるようなやり方をされると、そちらを選ぶという、爬虫類脳が騒ぎ出してしまうわけです。

爬虫類脳と人間脳が葛藤して戦ったとき、ほぼ爬虫類が勝ちます。

ですから、宣伝の達人はそれを知っています。

自分の意思で、よく考えて買ったものでも、よくよく考えてみると爬虫類脳を刺激されて購入してしまったものはないでしょうか。

それがとても必要で大切なものだと、自分の思考に基づいて購入したものでも、今はそう感じないもの、大事にしていないものがあったなら、それは爬虫類脳がそうさせたのかもしれません。

買い物をする際、爬虫類が騒いでいないか、もう一度考えてみるのもよいのではないでしょうか。

今日もご精読ありがとうございました。

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阿部泰志でした。

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